


飲茶(2019)『正義の教室』ダイヤモンド社


哲学的によりよく生きる方法は……
正義の定義に悩みつつ、自分の善い生き方をめざす。
なぜ?
・正義は定義されると正義ではなくなるから。
・人間は「正しくありたい」からこそ悩む生き物だから。
・私たちは他者の視点によって生き方を変えてしまうから。
どうやって?
・不安を受け入れる。
・自分なりの「善い生き方」を定義する。
・見られていてもいなくても「善い生き方」を実践する。
+α
日本人にとって「よい生き方」とは「社会」が定義する生き方でした。本書でもそのことに触れられていています。そのうえで「現代人が道徳的になったのではなく、スマホの普及で監視機会が増えた」という指摘は的を射ています。
(一部抜粋)
・何が正しいかわからない世界の中で「正しくありたい」と願い、自分の正しさに不安を覚えながら「善いこと」を目指して生きる。それこそが人間にとって唯一可能な正義。
・「マスクをかぶって自分の顔がバレなければ、平気で人に石をぶつけるが、バレるとなれば急にやらなくなる」そんな人間を矯正するためには、監視システムが必要。
(それは不幸。ならば……)
・万人に見られていなくても、見られていても、自分がやるべきだと思ったことが「善いこと」。そしてその、自分が「善い」と思ったことをして生きていかない限り、自由で幸福な人生は起こりえない。



